簡単に操作されてしまう人
人って自分が「こう言ってほしい!」って思ってることをそのまま言われると、つい気を許しちゃうもの。
求めている言葉を他人からかけられると嬉しいじゃないですか。
これ心理学的にもビジネスの場でも、かなりよく使われてます。
たとえばマーケティングの世界では、「顧客のニーズに合わせたメッセージ」を伝えるのが鉄則で、こういう手法を「ペルソナ・マーケティング」って言います。
ペルソナ・マーケティングってのは、消費者が「自分のことをわかってくれてる!」って感じるように、商品のメッセージを細かくカスタマイズして、あたかも「その人のためだけ」に作られたかのように思わせる手法のことです。
心理学でいう「コンフォートゾーン」という概念も関係してきますけど、人間はやっぱり安心感とか、共感できる相手に心を開きやすい。
だから、そういう相手には自然と信頼感を抱いてしまって、気づかないうちに影響を受けてしまうわけです。
でも、このことは、企業が人間の「共感を求める本能」を利用して、巧妙に操作してるとも言えますよね。
たとえば、SNSのインフルエンサーは好例で。
彼らはフォロワーが共感しそうな話題を発信して、あたかも「自分もみんなと同じ悩みを持ってるよ」とか「君たちの気持ちを理解してるよ」って姿勢を見せることで、信頼感を獲得してる。
で、信頼が築かれると、その後に何か商品をオススメしても「この人が言ってるなら間違いない!」って思ってしまいます。これは「バンドワゴン効果」とか「確証バイアス」にも関連する心理効果ですよね。
同じことは、ビジネスの場でも起きます。
リーダーや上司・会社トップが、部下が言ってほしいことばかり言って、部下がその人に従順になっていく…
これもある意味、操作です。
カリスマ的なリーダーって、部下が求めているビジョンや方向性を的確に捉えて、その言葉で語りかけることで、強い影響力を持つもの。
彼らは部下に「自分たちの望んでいるものを理解している」という印象を与えて、組織全体を一方向に導いていく。
もちろん、これが上手くいけばいいけど、逆にそれが盲目的な信仰になっちゃうと、リーダーの意見に反対する声が出にくくなって、組織が柔軟性を失うこともありますよね。
なので、「言ってほしい言葉を言ってくれる」人に対して、自分が無意識に従ってしまっているときこそ注意が必要なんですよ。
自分にとって気持ちいいことばっかり言ってくれる人には、「この人は本当に自分のためを思って言ってくれてるのか?」って、一歩引いて考えることも大事だと思います。
もし、相手がこちらの気分を良くするためだけに都合よく言葉を選んでいるなら、そこには「本音」や「真の関係性」がない可能性も高いですからね。
人は誰かに「自分を肯定してほしい」という本能が働くと、そのために現実を歪めて解釈することがある(自己防衛のバイアスとか言います)。
「言ってほしい言葉を言ってくれる」人が近くにいると、「この人は私のことを本当に理解してくれている」と無意識に思い込んでしまうことがあるってことです。
でも、その結果、相手の言葉を鵜呑みにしてしまって、冷静な判断力が鈍ってしまうってこともあるんですよ。
また、ビジネスにおいては同じ意見ばかりが飛び交う空間にいると、他の反対意見や批判を受け入れにくくなる傾向もありますよね。
だから、言ってほしい言葉ばかり言ってくれる人に囲まれてしまうと、いわゆるエコーチェンバーに陥りやすくなるので、時には自分にとって厳しい意見や、新しい視点を持った人の声に耳を傾けることが、真の成長につながると思います。
人間ってついつい「自分に優しい言葉をかけてくれる人」に心を許してしまいがちですが、そこには必ずしも「本当の理解」があるとは限らないし、時には自分が望む言葉だけに流されないことも大切。
それが「操作」されずに、自分の価値観や考えをしっかり持つための第一歩だと思うわけです。
だから、「言ってほしい言葉を言ってくれる」人だけを信じるんじゃなくて、違った意見もちゃんと聞けるような、そんな柔軟な心を持つのが大事だと思いますよ。
